在宅若手維新の会

令和を支える在宅医療

癌性疼痛;アブストラル

 

アブストラル用量決定期間: 100ug(初回)

疼痛時 日勤帯
 ①アブストラル 100μg 1回 1錠舌下投与(1回目)
  30分たっても効果がないとき、アブストラル100μg 1錠を1回追加。
  追加投与は1回のみ。
 ②1回目のアブストラル使用後(1回追加投与しても)4時間以内に痛みがある場合
  ●●●●(これまで使用していたオピオイド、全体量の10~20% [1/6量]の速放製剤)使用。
  1回目のアブストラル使用後4時間以上経過している場合
  アブストラル100μg1錠舌下投与
  30分たっても効果がないとき、アブストラル100μg1錠を1回追加。
  追加投与は1回のみ。
 
  ※アブストラルは4時間以上あけて1日4回まで可アブストラルは、国内の添付文書上は「前回の投与から2時間以上の投与間隔をあけ、1日あたり4回以下の突出痛に対する投与にとどめること」とされています。

 

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夜間帯
 ①●●●●(これまで使用していたオピオイド、全体量の10~20% [1/6量]の速放製剤)のみ使用
 (アブストラルは使用しない)

 

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肺炎

#肺炎
<細菌性肺炎>
Streptococcus pneumonia:肺炎球菌
Haemophilus infuenzae:インフレンザ桿菌
Moraxella pneumonia:モラクセラ
Klebsiella Pneumoniae
Staphylococcus aureus(インフレンザ・RSウイルスリ罹患後に多い)
<非定型肺炎>
Mycoplasma Pneumoniae
Chiamydophia Penumoniae
Legionella Pneumophila
Clamydophia Psittaci
 
マイコプラズマIgM、レジオネラ尿中抗原・肺炎球菌尿中抗原は利用
クラミジアIgAIgGの臨床的価値は確立していない。
 
治療期間は7日程度
敗血症ある場合は14日
ニューキノロンTbcoverで推奨されず
 
 
 
【細菌性肺炎と非定型肺炎に分類】
細菌性肺炎=肺炎球菌・黄色ブ菌 モラクセラカタラーリス cf誤嚥性肺炎は複数細菌と口腔粘膜上皮の混在
非定型肺炎βラクタム薬が無効である肺炎でマイコプラズマ肺炎・クラミドフィラ肺炎・レジオネラ肺炎・Q熱コクシエラ・ウイルス性肺炎
 
 
【市中肺炎原因ランキング】
肺炎球菌 インフレンザ桿菌 マイコプラズマ肺炎 クラミドフィラ
【感染経路】
マイコ・クラミドフィラ肺炎:ヒト~ヒト感染
オウム病:鳥~ヒト
レジオネラ:土壌・浴槽
Q熱コクシエラ:家畜・妊娠しているネコとの接触
【臨床所見】
マイコプラズマ:高熱の割に重症感が乏しい。また痰を伴わない頑固な咳
【肺炎と鑑別が必要なもの】
心不全・肺水腫(上気道感染契機の心不全
②肺癌(特に細気管支肺胞上皮癌:adenocarcinoma in situ 略 AIS
③特発性器質化肺炎、薬剤性肺炎、好酸球性肺炎、過敏性肺炎etc
④肺梗塞
⑥肺胞出血
放射線肺炎
ALI-ARDS  ALImild ARDS
⑨肺結核
【迅速診断】
尿中抗原:Binax NOW 肺炎球菌
cf:注意点治癒後数ヶ月尿中で陽性
    :Binax NOW レジオネラ
cf 注意点→Legionella pneumophila血性群1のみの検出
喀痰:ラピラン 肺炎球菌
咽頭ぬぐい液:リボテスト マイコプラズマ
血清マイコプラズマIgM抗体の迅速診断:イムノカードマイコプラズマリウマトイド因子や既感染による疑陽性が多い
【画像診断】
細菌性肺炎の典型:air bronchogramを伴う肺胞性陰影(air space consolidation
 
 
【肺炎重症度】
重症度評価:ADROP
男性70歳以上 女性75歳以上
BUN21mg/dl以上または脱水あり
SPo290%PaO2 60 Torr以下)
血圧90mmHg以下
0点:外来 1or2:点外来または、入院治療:3点入院  4or5点 入院 
【治療】
①本邦で使用可能なフルオロキノロン系の注射薬で肺炎球菌に強力に効果あるのはLVFXのみ
髄膜炎や骨髄炎などの薬剤移行しにくい場所に感染病巣を合併していない限り、肺炎球菌肺炎では充分量のペニシリン系抗菌薬で十分治療可能
③細菌性・非定型肺炎の両者に有効なフルオロキノロン(レスピレートリキノロン)を初期治療に選択することは、キノロン耐性菌の増加を引き起こす危険性が懸念されている。よって日本のガイドラインではエンピリック治療に選択することを戒めている。
④重症肺炎では、βラクタム系+マクロライド>>βラクタム系薬とキノロン系でアウトカムが良好。理由はマクロライド系薬の抗炎症作用が想定されている。
 
【肺炎治療期間】
(治療期間)
レジオネラ21日間
肺炎球菌・インフレンザ桿菌:7~10
 
【治療判定】
初期治療の判定は治療開始後3日目
抗菌薬投与は開始しても直ちに臨床的改善は得られない72時間程度で行われる。それまでは抗菌薬変更しない。通常の市中肺炎では抗菌薬治療期間は7~10日で十分と経験的にいわれている。
<抗菌薬の静注から経口へのスイッチ療法>
静注投与は3~4日で十分とされている。
(適応)
咳や呼吸困難改善
②少なくとも8時間以上の
【治療終了判定】
日本呼吸器学会『成人市中肺炎ガイドライン
以下4項目中3項目以上を満たした4日後
37℃以下への解熱
②白血球増加の正常化
CRPの最高値の30%以下への低下
④胸部X-p陰影の明らかな改善
【点滴処方】
起因菌判明するまでCTRX1g24h or AMPC/SBT 3g/6hr
eg1:セフトリアキソン(CTRX)Na静注用:1g/V←ロセフィン 2g or 1g+生食100ml1日1回 9時  所要時間1時
eg2:ピシリバクタ(ABPC/SBT)静注用:1.5g/V←ユナシンS 2瓶+生理食塩液注(100ml/B)1キット 1日4回6時・12時・18時・24時 所要時間1時間
 
(※肺炎治療におけるCTRXとABPC/SBTの使い分け)
①CTRX:GPCとGNR療法overしている。BLNAR(インフレンザ菌)にも有効
緑膿菌・非定型肺炎・嫌気性菌には無効⇒市中肺炎
②ABPC/SBT:GPC・GNR・嫌気性菌に有効
緑膿菌・非定型肺炎・BLNAR(インフレンザ桿菌)には無効⇒誤嚥性肺炎
※BLNAR(β lactamase negative ampiclillin resistant)βラクタマーゼ以外の機序でアンピシリン耐性と獲得したインフレンザ桿菌)
【内服処方】
オーグメンチン錠(250mg)3
1回 1 (1日 3)
アモキシシリンカプセル(250mg)←パセトシン 3
13 朝・昼・夕食後

帯状疱疹

 

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水痘・帯状疱疹ウイルスの回帰感染

診断のポイント

 ◆ 神経支配領域にそった片側性の皮疹と疼痛

 ◆ 経過中、変化する皮疹

 

主な合併症…神経障害が部位特異的に起こる

    顔→眼(角膜炎など)、耳(難聴)、顔面神経麻痺 

     三叉神経第1枝領域の時は必ず眼科受診。  

     特に鼻背から鼻尖部に皮疹のある時には眼合併症が多い(Hutchinson   

     法則)。

    四肢→運動神経麻痺

    腰部→膀胱直腸障害 

  

その他には脳炎帯状疱疹後神経痛(30%残す)

モルヒネ皮下注

モルヒネ原液持続皮下注】
【指示(1)】2倍希釈液から変更する場合
**皮下注用指示**
モルヒネ塩酸塩注10mL(100mg)/合計10mL
注意:モルヒネ10mg/mL
投与デバイス:小型シリンジポンプ10mL使用
■0.2mL/時(モルヒネ48mg/日)から開始
■ベースアップ:意識清明・RR≧10回を確認して8時間毎に増量可
■眠気が強い時1-2段階減量可
 -0.2mL/時(モルヒネ48mg/日)
 -0.25mL/時(モルヒネ60mg/日)
 -0.3mL/時(モルヒネ72mg/日)
 -0.4mL/時(モルヒネ96mg/日)
 -0.5mL/時(モルヒネ120mg/日)
 -0.6mL/時(モルヒネ144mg/日)
 -0.7mL/時(モルヒネ168mg/日)
 -0.8mL/時(モルヒネ192mg/日)
 -1.0mL/時(モルヒネ240mg/日)
■疼痛時頓用:1時間分早送り。効果がないとき2時間分にしても良い[RR≧10回なら30分あけて反復可]

モルヒネ皮下注 指示①

 モルヒネ2倍希釈液持続皮下注】
【指示】
**皮下注用指示**
モルヒネ塩酸塩注5mL(50mg)+生食5mL /合計10mL
注意:モルヒネ5mg/mL  投与速度上限は0.4mL/時
投与デバイス:小型シリンジポンプ10mL使用
■0.1mL/時(モルヒネ12mg/日)から開始

■高齢者や全身状態が不良な場合には0.05mL/時(モルヒネ6mg/日)から開始

■ベースアップ:意識清明・RR≧10回を確認して8時間毎に増量可
■眠気が強い時1-2段階減量可
 -0.05mL/時(モルヒネ6mg/日)
 -0.1mL/時(モルヒネ12mg/日)
 -0.15mL/時(モルヒネ18mg/日)
 -0.2mL/時(モルヒネ24mg/日)
 -0.3mL/時(モルヒネ36mg/日)
 -0.4mL/時(モルヒネ48mg/日)
■疼痛時頓用:1時間分早送り。効果がないとき2時間分にしても良い[RR≧10回なら30分あけて反復可]

ブログを開始しました。

初めまして。Dr.lungです。わたくしは、元呼吸器外科医師です。

2020年から在宅医療に目覚めました。

このブログを通して、在宅医療についてと日常生活が豊かになる情報やちょっとした医者の世界のあるあるを発信していきたいと思います。